下等遊民の妄言

主語でかい

韓国ドラマに思うこと

日本に帰国して、約5年。地元のテニスサークルに参加することで新しい知り合いもでき、いろいろな世代の人と話す機会があるのだけど、韓国ドラマを見ているという人がまだ結構いて驚く。

 

僕自身は韓国に渡った90年代後半にたくさん見て、2000年代に入った頃にはほとんど飽きていた。まあ、おもしろいはおもしろいのだけど。

 

最新のドラマはどうだか知らないけど、僕がこれまで見てきた100本程度のドラマにははっきりとした型があって、今回はそれについて書いてみたい。もうとっくに誰かが言っているだろうけど。

 

まず韓国ドラマの主要登場人物は

A)良い人 

B)悪い人

ア)金持ち

イ)貧乏

の属性が振られる。

 

ものすごく簡単に言うと、A+イの貧乏だけど良い人が、B+アの金持ちだけど嫌なやつに虐められ、A+アの助けを借りて、成功する。成功しそうになると、B+イの貧乏で悪いヤツに陥れられそうになったりして、長引いていく。という構造を持っている(あるいは持っていた)。

 

よく言われることだけど、「水戸黄門」と同じような構造で、腹黒い金持ちが、善良な町民をいたぶっているところに、黄門様が現れて、「やっておしまいなさい」という感じだ。

 

これを基本にして、血縁(異母兄弟、連れ子、乳児のときの間違いなど)とか、幼馴染とか、記憶喪失とか、そういう要素が加わっていく。

 

金持ちを表すメタファーとしてよく使われるのは、「広い庭付きの近代的な家」なんだけど、ソウル市内でこんな家に住んでいるのは、政治家か財閥系の家だけで、大企業の役員クラスでも無理。こういう家に住んでいる登場人物は「家柄がいい」ことを表しているのだと思う。

 

一方、ソウル市内に立ち並ぶ団地のような高層マンションは、地域によって値段がちがうけど、豪華なマンションは「実力によって勝ち取った富」みたいなことを表しているケースが多い。同じ金持ちでもこんな違いがある。

 

逆に貧乏人が住んでいるのは、「半地下」か「屋上部屋」なんだけど、ドラマの主人公が半地下に住んでいることはあまりなく、ドラマ「屋上部屋の猫」なんかでもあるように、この屋上部屋に住んでいる場合が多い。

 

「屋上部屋」は鉄筋の建物を作った後、屋上に付け足した簡易的な部屋のことで、ほとんどは違法建築だと思われる。建物を建てて、検査を受けた後に建てちゃうんだな、これが。夏は暑く、冬は寒いという特徴があるのだけど、屋上という開放感から、主人公の前向きな雰囲気を演出しやすく、貧乏だけど良い奴というのは屋上部屋に住んでいることが多い。

 

半地下の部屋は、冬暖かく、夏は涼しいという、縄文時代の竪穴式住居のような優れた特性があるのだけど、竪穴式住居と同じく、湿気が多い。だからジメジメしていて、貧乏人も暗黒面に落ちやすい。ぼくも6年くらい住んでいたけど。

 

それで男女が、なんらかのトラブル状態で出会い、お互い悪い印象を持って知り合う。それから何度か会っているうちに、実はそれほど悪いやつじゃないんだね、となる。明るい時間の連ドラだと、良い人同士がくっついて終わり、夜の時間帯は悪いやつが悲惨な死に方で死んで終わる。そんな感じのドラマがほとんどだった。